SH@PPLE ―しゃっぷる― (1)

パン耳揚げが胃にもたれない蒼い年頃

双子の姉 舞姫が通う女子校の生徒 蜜に一目惚れするも見ているだけで幸せだった雪国は、生徒会活動に疲れた姉の「学校交換しない?」との禁断の誘いについノせられて――目の毒気の毒なシャッフルラブコメ
心が入れ替わる『おれがあいつであいつがおれで』(山中恒) *2 *3、『先輩と僕』(沖田雅) *4、『AKUMAで少女』(わかつきひかる) *5や嫌がる男の子に女装を仕込む『おと×まほ』(白瀬修) *6とは違って、双子の姉弟が積極的に入れ替わる本作。
他の男子/女子とのちょっとした雰囲気や応対の差で急にモテたり人心が掌握できたり、人間ってやっぱり外面が重要。雪国の母校で暗躍する熱き非モテの会からは、面と向かっての外見演出に気を配れない男の子の哀しさが伝わってきます。
本作著者と姉妹の 竹岡美穂が画を担当する新装版『丘の家のミッキー』(久美沙織) *7ソロリティは、女の子の無意識の排他性が心を刺す感じがありますが、本作の女子校側お嬢様グループ ソロリティは、男性読者にもわかりやすい意地悪高飛車方向。
でも、百合とかエスとか耽美とかの匂いがあまりしないのは、『笑う大天使』(川原泉) *8 *9と同じく、食欲に走ってしまうシーンのせいかも。
余り物が材料の貧乏菓子作りとか、縫い物繕い物が得意な男の子、というのはちょっと新鮮でした。次巻では編物に挑戦を期待。

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