世界平和は一家団欒のあとに 4 ディア・マイ・リトルリトル・シスター

世渡り下手の正義バカにも二代目が

不思議な力を持つせいで否応なく世界の平和を守る破目になる星弓一家では、長女 彩美が突然10歳の子供の姿に若返り。その謎を解決すべく、軋人は過去の事件を調査して――クールで綺麗な正義の味方も恋は不器用ストーリー。
高校生時代と、二十代半ばの現在と、二つの時代の彩美の姿が交互に語られるんですが、現在の姿が小学生になってしまっていることもあって、1巻で3度おいしい構成になっています。
小さい頃はちょっと喧嘩っぱやくて強気だったのに、その不器用さを自覚して寡黙になり、大人になってふっきれたのか、酒癖の悪い大騒ぎ系に逆戻り、と、一人の女性の変化。ただの乱暴モノじゃない、意外な魅力をじっくりと見せてくれます。
高校時代の友人愛華にも、今では小学校低学年の息子が。彼のたった一言の台詞が決まりすぎ。
どんな力を持っていても、悩みは人並で、普通に恋をして普通に疑心暗鬼になり、普通に自分に自信がない。それでも、誰かに認めてもらうために使命を果たすわけじゃない、という矜持を忘れないからこそ、正義の味方でいられるのかもしれません。
四捨五入すれば三十路の彩美の恋模様はこれからどうなるのか。お薦め。

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