精霊探偵

産みの親より育ての親、苦楽を共にした女より想い出の女
著:梶尾真治 画:吉實恵美 新潮文庫*1

妻 那由美を交通事故で亡くして以来、背後霊が見えるようになった私は、その能力を見込まれて人捜しの依頼を受けることになり――背後霊が人の運命を変えるスピリチュアルミステリー。
父母の背後霊に憑かれたマスター夫婦が食事の世話を見てくれたり身の周りの心配をしてくれたり、と、背後霊が、憑いている相手の行動をかなり支配できる設定は、心霊モノというよりは、『人形つかい』(ハインライン) *2や『さよりなパラレル』(竹本泉) *3に近い感じ。
作者は猫派じゃないかな?と思ってはいたんですが、猫大活躍の本作を見ると、やはりその模様。
結末近くまでB級SFちっくな展開の本作ですが、クライマックスでは、数多くの謎がひとまとめに解決される回答が提示されます。確かにその設定は頭の中に残っていたけど、そういう趣向のミステリーだったのか!と納得でした。
頼りない探偵には面倒見の良い助手が必要、本作では、小学生の小夢ちゃんがその任を務めます。小さくても女は女、手綱を締めたり緩めたりの大活躍。これぐらいの年齢差ならアリだと思うんだけど。

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