ファウスト Vol.7

♪軽くウェーブしてる鞭毛がとても素敵

2年半ぶりに発行された「ファウスト」の特集は佐藤友哉。短篇「ウィワクシアの読書感想文」は、《ぼく2》の物語を紡ぐ《ぼく》から始まり、RPGが引用されていることもあって、佐藤友哉によるゲーム的リアリズムなのかな、と一瞬思いましたが、人はそれぞれ自分のハートに震える自分の物語を持っている、という展開でした。
いとうのいぢ挿絵の「ビアンカ・オーバースタディ」(筒井康隆)。ビアンカが学校で進める研究は『天地無用! 魎皇鬼』*2で鷲羽が天地に迫ったアレと同じなんですが、ちょっとエッチなミルキー娘というよりは、『先輩と私』(森奈津子) *3的なオヤジっぽさ。ライトノベル界は今でも、絶賛カンブリア爆発真っ只中、アノマロカリスもウィワクシアもハルキゲニアも、何でもござれな感じ。
このところ次話への引き方がジェットコースタードラマっぽい「新本格魔法少女りすか」(西尾維新)。今回のお題は、創貴は、自分の体にも流れている りすかの血を、磔にされたままどうやって流すのか。八歳の水倉鍵に立ち向かう小学五年生の創貴とりすか、この設定を生かしたオチの初めて感が素敵です。
滝本竜彦のぐるぐる人生相談」は連載終了?

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