筒井

ファウスト Vol.7

♪軽くウェーブしてる鞭毛がとても素敵講談社*12年半ぶりに発行された「ファウスト」の特集は佐藤友哉。短篇「ウィワクシアの読書感想文」は、《ぼく2》の物語を紡ぐ《ぼく》から始まり、RPGが引用されていることもあって、佐藤友哉によるゲーム的リアリズム…

ダンシング・ヴァニテイ

著:筒井康隆 オ:小池隆 新潮社*1誰かが家の前で喧嘩していると言う妹におれは、とばっちりを受けないようみんなを奥の間に連れていけと命じるが――執拗に繰り返される反復記述の乱丁ならぬ乱調小説。 誰かが家の前で喧嘩していると妹が言うシーンで始まる本作…

涼宮ハルヒとポストモダン、AYNIKとハイデガー

対談 筒井康隆+東浩紀 キャラクター小説とポストモダン 群像2007年7月号 講談社*1時をかける少女*2 *3の作者/原作者にして、キャラクターに哲学を語らせる文学部唯野教授*4の著者でもある筒井康隆がゲーム的リアリズムの誕生*5を巡って著者 東浩紀と語る対談…

パプリカ

著:筒井康隆 画:松昭教 新潮文庫*1ノーベル賞候補の精神医学研究者 敦子の裏稼業は、他人の夢に侵入して謎を探る夢探偵パプリカ。研究所の理事会で彼女の活動が槍玉にあげられ――夢と現実が渾淆する筒井流サイバーパンク? ジャックインして無意識界に入ると…

愛のひだりがわ

著:筒井康隆 画:日置由美子 新潮文庫*1犬と話せるわたし 月岡愛は、母の死をきっかけに、金に汚ない叔父の家を出て、行方不明になった父を探す旅に――治安が悪化した近未来を股にかけるピカレスクジュブナイル。 自立したしっかり者の女の子という意味ではト…

富豪刑事

著:筒井康隆 画:真鍋博 新潮文庫*1ハバナ葉巻をくゆらせキャデラックを乗り廻す富豪刑事こと神戸大助は、裏街道で大儲けした父の悪銭を湯水のように使いながら難事件に挑む――深田恭子版 富豪刑事*2の原作とはとても思えないミステリー。 金の使い道もトリッ…