愛のひだりがわ

yomimaru2006-07-31

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犬と話せるわたし 月岡愛は、母の死をきっかけに、金に汚ない叔父の家を出て、行方不明になった父を探す旅に――治安が悪化した近未来を股にかけるピカレスクジュブナイル
自立したしっかり者の女の子という意味ではトワイライト・トパァズ(佐々原史緒) *2と共通するんですが、トパァズが陽性なのに対して愛は陰性。で、陽性のトパァズは好きな男 ルキウスを助けるんですが、陰性の愛は「ひだりがわ」で助けてくれる人が必ず出てくる。奉仕の方向性の違いが、ライトノベルジュブナイルの違いなのかも。
映画の評判が良いせいか、帯には「永遠の名作『時をかける少女*3をついに超えた最高傑作!」とあるんですが、比べる相手が違う気がちょっとします。
12歳から15歳までの愛を描く本作、彼女自身は《悪漢》というわけじゃないんですが、悪女について(有吉佐和子) *4白夜行(東野圭吾) *5にも似た本作の雰囲気は、やっぱりピカレスクロマンだと思うのです。

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