富豪刑事

yomimaru2006-05-13

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ハバナ葉巻をくゆらせキャデラックを乗り廻す富豪刑事こと神戸大助は、裏街道で大儲けした父の悪銭を湯水のように使いながら難事件に挑む――深田恭子富豪刑事*2の原作とはとても思えないミステリー。
金の使い道もトリックも趣向が異なる短篇四つが収録されていますが、謎解きそのものよりも、謎を解く過程の方が興味深い。夢の涯(ろくごまるに) *3の「暁三姉妹密室盗難事件顛末」とか「刀鍛冶、真淵氏の勝利」での導果先生の謎解きと共通する楽しさがあります。
月の小遣いが400万円の翔んでる警視(胡桃沢耕史) *4のある意味《地道》な捜査とは違った、逆転の発想による解決がいいですね。
昭和の匂いがする金持ち像は、出てくる品々もどこか懐かしい。お勧め。

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