信長の棺

信長最後の「人間五十年〜」を見た者は何故生き残れたのか?
著:加藤廣 画:水口理恵子 文春文庫*1 *2

本能寺へ向かう信長から密命を受けていた太田牛一は、光秀や秀吉の探索にもかかわらず見つからなかった信長の遺骸の謎に――信長公記*3作者の目から見た歴史ミステリー。
信長の名推理!「修道士の首」/『天正十二年のクローディアス』(井沢元彦) *4、信長は颯爽快男児じゃない!「謀反の動機はなんですか?」/『邪馬台国はどこですか?』(鯨統一郎) *5、信長は女だった!『女信長』(佐藤賢一)*6と、様々な虚実が楽しめる信長モノ。
本作で取り上げられる大きな謎は、(1)桶狭間山の奇襲、(2)安土城天守の意味、(3)光秀謀反の直接原因、(4)本能寺の遺骸消失、(5)華麗な中国大返し、の五つ。日本では本能寺の変が起き、西洋ではユリウス暦からグレゴリオ暦へ改訂され、の同時代性が強く印象に残ります。
銀漢の賦』(葉室麟) *7の源五もそうでしたが、牛一も、ひょんな切っ掛けで面倒を見ることになった女と関係を。歳をとっても枯れず、を目指すには、適度な運動が必須の模様です。そういえばこの四人、年齢層も似通っているような気が。
影武者徳川家康』(隆慶一郎) *8 *9 *10と一緒にどうぞ。

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