官能的 四つの狂気

スポーツ吹矢は筒を正面打ち起こし

女性の生活を解析する変態数学者 増田米尊が巻き込まれる殺人事件に、研究室の学生 千田まりと研究生の居候クロは興味津々で――興奮すればするほど頭が冴える、全四話の超絶変態ミステリ。
酔えば酔うほど推理が冴える『麿の酩酊事件簿シリーズ』(高田崇史) *2は、まだまだ常識的だと思わせる本作。
女性を観察して興奮したり変態と罵られて逆上したり、感情が高ぶれば高ぶるほど推理が冴える変態男 増田が探偵役で、増田を研究対象にする変態ウォッチャー 千田が助手役でしょうか。「マスターベーション」に「血だまり」と、バカミスの名にふさわしい名前です。
最終話でどんでん返しがあることが予想されるのですが、まさかこういう落ちだとは、唖然、驚きの結末。こういう形で『四つの凶器』*3の作者 カーになぞらえるなんて!
観察するだけで手は出さない、ねちっこいストーキングフィールドワーク描写もお薦め。

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