ラノベ部 2

♪幼なじみは隣りの娘 いつも手が出る足が出る
著:平坂読 画:よう太 MF文庫J*1

ライトノベルを読んでは駄話に耽る気楽なサロン、軽小説部を高校に創部したのは、美人部長 美咲と、隣の家に住む腐れ縁の龍之介だった――鈍感主人公は存在しうるかコメディ。
溜まり場での会話を基本線とし、現実の作品をネタとして採用してしまう、という点では、『生徒会の一存シリーズ』(葵せきな) *2と類似する構成の本作ですが、本作に登場する女の子は、男の子に媚びる気配がまったくない点が特徴。
龍之介のあしらわれ方は、『マリア様がみてる』(今野緒雪) *3の柏木とか、『よくわかる現代魔法』(桜坂洋) *4の聡史郎とかに通じるものがあります。男と女が、普通に「同じクラブの知人」なところが好み。
美咲と龍之介が、何を経て、安定した「幼なじみ」のポジションに至ったか、を描くラノベ部設立のエピソード、美咲の一言が衝撃的。二人の姿には、昭和のNHK中学生日記にトレンディドラマを混ぜたような、背伸び感があっていいです。
鈍感ヒロインが存在しうるか、ちょっと疑問を持ったときに、特にお薦め。

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