BE-TWINS ビトゥイーン

女三人寄れば姦しい
著:越智月子 画:宮尾和孝 小学館*1

土曜日の朝に学校内の修道院に行くことを親友 七美と約束した文子だが、当日の朝、彼女の意外な懺悔の言葉に驚き――名門カソリック女子中学校を舞台にする少女の三角関係ストーリー。
帯のアオリは「女子を好きになってしまった。しかも、彼女は双子だ」なんですが、いわゆる百合モノではなくて、誰と誰が仲良しか、を巡る女の子同士の「友達」もの。双子の七美と夕美、間に挟まれる文子、との配置ですが、全員均等に疎外感を味わう場面があるところが、何ともリアルです。お揃いの御メダイ、お揃いのポーチ、と、仲良し感を醸し出すグッズの、お値段のささやかさが、中学生らしくて微笑ましい。
似たような設定の『マリア様がみてる』(今野緒雪) *2は基本がシンデレラストーリーなせいか、庶民ヒロイン祐巳は、境遇の差にコンプレックスを抱いたりはしません。一方、本作の三角関係はあくまで対等なので、文子は劣等感を感じまくり。小学生のときにはクラスで一番のお嬢様だっただけに、惠和女学院に入学してみて感じる「井の中の蛙」感が貧乏臭くて好き。
入れ替わる女子の双子に翻弄される男の子「どっちもどっちもW」(竹本泉) *3が好きな方にお薦め。

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