白山さんと黒い鞄

白髪三千丈縁鞄似箇長
著:鈴木鈴 画:ここのか 電撃文庫*1

白髪美少女白山さんが人と距離を置く理由は、肌身離さず持ち歩く黒い鞄の中身。鞄に頭を突っ込む彼女の姿を見てからストーキングされるようになった衡は――誰も彼もが繊細すぎるスリリングラブコメ
人見知り系の白山さんが傷付きやすいのは確かにキャラ通り、なんですが、物事に動じない性格の衡だけでなく、番長からも一目置かれそうな唯我独尊肉体派の親友 伊織まで、軽い拒絶で心がシクシク。彼らの上に君臨するスーパー高校生 図書部副部長 朱遊の肝っ玉の座り方に比べると、繊細というか脆いというか、何とも情けない男性陣です。
白山さんが持つ黒い鞄は、『封仙娘娘追宝録シリーズ』(ろくごまるに) *2でいえば断縁獄、ドラえもん(藤子・F・不二雄) *3でいえば四次元ポケットに相当するアイテムです。収納されているモノどもが外に出てきたがるところが本作のキモで、白山さんに仕える守憑霊 九衛も出たがりの一人。
その九衛、今巻では、《美少女》というよりは、姉を慕い、姉に言い寄る衡にライバル意識を燃やすシスコン弟キャラの風情。今巻では何となく衡と協力する破目に陥ってしまいましたが、次巻以降では、泣きながら喧嘩→友情発生の王道コンボに期待です。

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