ぼくのメジャースプーン
いいから読め、でなければお前は―― by まいじゃー
惨殺されたうさぎの姿に、心を閉ざした幼馴染ふみちゃん。犯人に罰を与えるべく、自分が持つ不思議な力の正体を見極めるぼくは――あの子を想って復讐するぼくの、罪と罰。
相手に対する命令と、従わなかった場合の罰を組み合わせて強制するヒュプノボイスの持ち主の《ぼく》。新書版*2の初読時は、小学四年生にしては賢すぎると感じましたが、医大生の犯人に対抗する役回りを演じるには、世渡りを知った中学生ではもはや力不足で、純粋で残酷な小学生であることが必須なのかも、と思い直しました。
『新本格魔法少女りすか』(西尾維新) *3の創貴も同じく小学生ですが、高邁な理想と目的を掲げたり、純粋に彼女を思ったりするには、今の世の中、中学生では薹が立っているのかもしれません。
ぼくが犯人に与える罰のシーンは圧巻。いわゆる青春モノではないという点でこの作者の作品群の中で異色の本作、やっぱりお薦めです。
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