野球の国のアリス

右脚が強いからトラックは左回り

リトルリーグでピッチャーとして活躍する少女アリスは、鏡の向こうの《反対の世界》で、野球部の助っ人として最弱球団を決める《決勝戦》に出場するが――反対といっても逆も裏も対偶もある少女野球熱血ストーリー。
やっと直木賞に届いた『鷺と雪』(北村薫) *2(これで道尾秀介に抜かれたら自ら卒業宣言するんじゃないかと思ってました)も含め、北村作品にはどことなく「教えてあげる」空気が漂っていますが、本作の場合、ヒロイン アリスの話を聞いた小説家が、子供に向かって語る形式を使っているせいで、「教えてあげよう」感が倍増。小学生に戻る気分が味わえます。
部員全員が女子の『大正野球娘。』(神楽坂淳) *3『無敵のヴィーナス』(池田恵) *4プリンセスナイン*5とは違って、先導をとるアリスに少年達が協力する形式。『そらいろな』(一色銀河) *6の監督ヒロインがピッチャー、みたいな感じ。
万年最下位のZチームが、トップチームに挑む『コブラ ラグボール』(寺沢武一) *7が好きな方にお薦め。

><