わたしたちの田村くん 2

yomimaru2005-09-08

bk1

中学三年の夏、田村くんの心に大きな跡を残して転校した松澤小雪。高校一年の春、田村くんを振り回したあげく唇を奪った相馬広香。松澤からの手紙がまた届いたのは、ファーストキスのその日だった――はたしてこの三角関係に決着はつくのか? 注目のラブコメ完結篇。
帯には「不思議少女とクールなツンドラ系 あなたはどちら派?」とありますが、私は「田村くん派」ですね。あちらに進んではぶつかり、こちらに進んではぶつかりつつも、前に進もう、けれどもなかなか進めない、自分を見つけようとする健気な姿、引かない姿勢、前巻*2同様、心を打たれます。
個人的にはThe B.B.B.(秋里和国) *3の逆パターンを期待していたんですが、ここで終了というのもなかなか余韻があって良いかも。みんな頑張れ。

群像で その2

群像 2005年10月号

群像2005年10月号*1掲載の「コンラッドの末裔たち 1900/2000 桜坂洋平山瑞穂山崎ナオコーラ論」(福嶋亮大)。次の4作が主な批評対象。

All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)

20世紀のコンラッドと新世紀の三人の作品を、「時間のイメージ」に対する観点から対比する、というものでした。この評論、特集「小説の現在」の中の一篇なのですが、数々の評論の対象の中で、集英社スーパーダッシュ文庫、というのは異色です。
個人的には、解読「よくわかる現代魔法」〜黒猫とパンツと自由間接話法〜*6を書いたときに参考にした 解読「地獄の黙示録」(立花隆) *7で何回も引用されていたコンラッドの作品が、こんなところで登場してきたことにちょっと驚き。こういうのも共時性なのかな?