オーバー・ザ・ホライズン 僕は猫と空を行く

yomimaru2004-09-11

著:橘早月 画:高科浅妃 電撃文庫*1

第十回電撃ゲーム大賞二次選考作。電撃文庫にしては地の文が長く、ページが黒っぽいのが、ぱっと見にわかる特徴ですね。
飛行機乗に憧れる少年と父の肩身の設計図を探す少女と喋る猫の冒険譚。イリスの卵(岡野史佳)*2 *3とついつい比較しちゃうこの設定。イリスは「僕は宝石と空を行く」です。
味方と敵がかなりわかりやすく、その意味で肩の力を抜いて読めます。デビュー作にしては、セリフから地の文へ説明をうまくつないでいるような印象があります。
銀河鉄道999(松本零士)との対比でいえば、主人公は鉄郎、猫が車掌とメーテルの頼りになる部分、少女が頼りにならない部分ということになるかと。あ、主人公がファザコンなところが違うか。ということで、少女との絡みが気になるところです。でも、今巻は、さあ行くんだ〜という雰囲気の話なので、これから二人と一匹が各地を旅する話になっていくのでしょう。
設計次第では、木製複葉機よりも鉄製単葉機の方が優れている、というのはまあ当然かもしれないんですが、やっぱり前者の方がガジェットとしては好きかなあ。