ターン

ターン (新潮文庫)
著:北村薫 画:中山尚子 新潮文庫*1

秋も時間ループの季節です。ということで千熊屋さんのリストから1冊。
おじさんの女子大生に対する夢が満載!といった感じの円紫さんと私シリーズ当初*2は、確か北村薫覆面作家。なんでこんなに文章がおじさん臭いのに北村薫女説が出るのかな、と思っていました。まだ今日の5の2*3桜場コハル小学5年生女子説の方が信憑性があるかと。
ヒロインはそろそろ三十歳の売れない銅版画家で、交通事故をきっかけに、記憶以外はそのまま暑い夏の日の24時間ループに巻き込まれてしまう、ほかに誰もいない世界からどうやって抜け出すか、というお話です。周到に用意された描写には作者の年輪を感じます。安心して読めますね。
ヒロインが推薦に落ちた美術大学を受験しようかこの道を諦めようか悩んでいる女子高生だったら、富士見ミステリー文庫でもいけるかな。