ゼウスガーデン衰亡史
電車男*2、新潮社より発行記念!ということで電話男*3を読もうと思ったのですが、本棚から見つからず。かわりに同じ作者のこちらを再読。
下高井戸のさびれた遊園地が世界中を巻き込んで快楽の帝国ゼウスガーデンへと発展し、そして滅亡していく歴史を描いた巨編。当然のことながら、編年体での描写が多用されています。
というとやはり思い出すのが復活の地II(小川一水)*4。小川一水の編年体は、あたかも苦行に挑む僧によるかのような、削り落とされた遊びのない語り口ですね。そういえばギャルナフカの迷宮の最後辺りもそうだった。
一方、小林恭二の編年体は、幇間(たいこもち)によるかのような饒舌で軽みのある跳ねるような文体。単に歴史をたどっているだけなのに、なぜこんなに楽しいのか。
この本、何回読んでも面白い。