echo ―夜、踊る羊たち―

yomimaru2004-11-14

bk1

事故で家族を失った直樹とその妹灯雪のささやかな一日が始まった。そんな日々も、妹と仲の良かった恋人桐子との2年ぶりの再会を通じて変貌していく――カバーをつけたまま読んだので、確認するまで今月の富士見ミステリー文庫の新刊だと思ってました。
主人公の男、男の妹、妹がなついている男の恋人という三人の構図に、妖聖記シリーズ(竹河聖)*2 *3 *4を思い出しました。構図だけじゃなく、類似した血の匂いが白黒反転ページにあります。
私の知人の友人に、幽霊のいる部屋に住んでいるという噂の人がいます。彼がいうには「幽霊でも家で待っていてくれるのは嬉しい」とのこと。もちろん本当かどうかわかりませんけど。本作は、誰か(何か)と一緒に暮らすことが大きな心の支えになることもある、そんなことをしんみり感じさせる作品です。