ミナミノミナミノ

yomimaru2005-01-09

bk1

姉にそそのかされ夏の南の都島へやってきた正時は、性格がきつくてちょっと極端なところがあり口の利き方をわきまえておらず本当は寂しいくせに妙に意地を張り、しかし根は良い少女春留と「友達」になることに。彼が持つ首飾と島の風習には妙な因縁があって――
転校ばかりの渡世人、筋金いりのよそ者である正時の処世術が光ります。話の4分の3あたりまではうまく機能しているだけに、本巻のクライマックスでの落差が衝撃的。
ここでひと押しするだけでいいのに、というところで羞恥の念が出てしまう中学生の初々しさや、この年代の男の子の汚なさ*2を爽やかに楽しむのには最適です。次巻では、ですます喋りの春留がさらにツンツンのハリネズミ状態になることを期待。
実のところ、犬がいっぱい出る話が読みたかったんですが、蟹でした。

追記
喉のところまで出かかっていたのをやっと思い出しました。南海奇皇(ネオランガ)*3と妖星伝(半村良)*4 *5 *6でした。