面白南極料理人

yomimaru2005-04-14

bk1
著:西村淳 画:和田誠 新潮文庫*1

標高3800m、平均気温-57℃、酸素も少なく日も当たらぬ南極ドーム基地で繰り広げられる創意工夫の料理の数々。第38次越冬隊を記録した痛快日記。
食材の量と冷凍保存の苛酷さがひしひしと伝わってくる怪作。牛乳はこの温度でクリームが分離しないのか、ゆで卵は元に戻るのか――デイ・アフター・トゥモロー*2の気温の中で食材はどうなるのか等、興味はつきません。
掲載されているレシピは、凝った料理というよりも、料理の四面体(玉村豊男)*3に見られるような組合せの妙が目立ちます。
キャベツと豚肉を日本酒で煮いてポン酢でいただく鍋料理など、豆腐を清酒で煮る《すっぽん鍋》を思い出しました。
手抜き自炊派にお薦めの一冊。