わたしたちの田村くん

yomimaru2005-06-07

bk1

故郷、月へ帰ると書き続ける不思議ちゃん美少女松澤との中学最後の夏、部屋にチョコと石を投げ込んだツンドラ系美少女相馬との高校初めての春。田村くんに振りかかる楽しくてやがて哀しき女難の日々は――非ハーレム、電撃hp掲載作他収録の切ないラブコメディ。
まとめて読むと何故か北里マドンナ(氷室冴子)*2のような印象を受けるのは、作者が女性(?)だからでしょうか。できた兄と弟に挟まれた凡庸な田村くんが、それでも明るく軽妙洒脱に育っている様子に、オトコノコに対する愛情を感じます。
松澤、相馬のそれぞれのエピソードはギャルゲートゥルーエンドの展開に似ていますが、トラウマの解消に新鮮な説得力が感じられたのも好印象。
半分の月がのぼる空(橋本紡)*3とは違った意味で不器用な田村くんを見守る月。本作の松澤の最後の言葉は次巻への強烈な引き。最強展開のお薦め作です。