舞姫通信

yomimaru2005-06-25

bk1
著:重松清 画:唐仁原教久 新潮文庫*1

一卵性双生児の兄 陸男が自殺して五年、宏海が赴任した女子高では、自殺した女生徒を讃える舞姫通信が配られていた。兄の恋人佐智子は、心中に失敗し恋人に先立たれた男を自殺志願アイドルとしてプロデュースするも、宏海との仲に変化が――
宏海と陸男の貌の違いは小さなほくろだけでそれがなければ見分けがつかないという設定が効いています。葬儀の際に兄の貌にほくろを描く宏海。果たしてあのとき死んだのは僕なのか兄なのか。生きているときに「佐智子を愛しているのが陸男だ」と言って笑った三人なんですが、陸男の死を見たときの佐智子のトラウマも凄い。
自殺で始まるserial experiments lain *2 *3や、恐怖新聞めいた六番目の小夜子(恩田陸)*4のような展開かと思っていたのですが、予想とは大分違っていて楽しめました。