北村薫のミステリー館

yomimaru2005-10-17

bk1
編:北村薫 画:山口マオ 新潮文庫*1

北村薫が選ぶ広義の「ミステリー」18編を納めたアンソロジー。空飛ぶ馬(北村薫) *2で本読み女子大生《私》を登場させた編者だけに、本読みの女の子の話を出してくれるかな、と期待していたのですが、やっぱりありました。
小学四年生最後の春休み。行きつけの図書館に向かったしおりは、自分で読んでもちょっと難しい本『魔女たちの静かな夜』をわたしの本だと主張する三歳ぐらいの女の子に出会う――「わたしの本」(緑川聖司)。次の作品「盗作の裏側」(高橋克彦)もそうですが、2ちゃんねるでもおなじみのネタが効いています。
しおりも《私》も、一人称独白とか読書傾向とか喋り方とかが、年不相応というかふけすぎというか、そのギャップが快感。晴れた日は図書館へいこう(緑川聖司) *3も読んでみようかな。

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