かのこん

><

かのこん (MF文庫J)

転校の朝は、天気雨。放課後の音楽室に耕太を呼び出したちずるの張りつめた胸が揺れる。おじいちゃん、都会は街も女の子も、すごいよう――第1回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作。
本作、実は投稿時からチェックしていたり。後書の謝辞に並ぶ人々の名前を見れば、どこ出身かはわかるでしょう。
妖狐にいきなり惚れられる純朴少年、というと、天地無用! 魎皇鬼*2を思い出しますが、展開はハーレム系じゃなくて護くんに女神の祝福を!(岩田洋季) *3のピュアラブ系かも。女の子がずっと積極的で、ところかまわずちゅっちゅちゅっちゅ、ですが。
悪魔のミカタ(うえお久光) *4に引き続き、本作でも「サーカス」(中原中也) *5の影が見えます。家族八景(筒井康隆) *6の「水蜜桃」もそうでしたが、破裂しそうな緊張感を表しているのが妙に心に残りました。
もう純な心で「サーカス」は読めないよう。