春待ちの姫君たち―リリカル・ミステリー

yomimaru2005-12-10

bk1

親友春来から姓でなく名で呼ぶ名誉をプレゼントされた赤音は、クラスの中心舞との対立で孤立。そんな赤音を支えるのは、親友の彩――少女と少女の愛憎が交錯する、華麗に謎めく少女小説
女子校を舞台に進むストーリーですが、ヒロイン赤音の兄のセリフ、過保護なところと、それでいて実はよくわかっていないところとが綯い交ぜになった感じが出ていて、良く効いています。
次第に真相が明らかになっていくサスペンス調の展開ですが、身を切られるような痛さにファイト・クラブ*2を、ヒロインの歪みに凍りのくじら(辻村深月) *3を、思い出しました。
そうそう、隔絶された学園の雰囲気、緋色の囁き(綾辻行人) *4が好きな人なら是非お薦め。