ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスとつぼみの淑女
田舎の仕立屋『薔薇屋』のお針子クリスが仕立てるドレスは、「恋をかなえる」と貴族たちが噂する代物。立てない妹フローレンスへの贈り物の依頼をシャーロックから受けたクリスだが――英国調ロマン。
商売上手な自立した女性に気にいらない仕事はしない江戸っ子的職人の威勢の良さと、まだまだ身分制度に雁字搦めな貴族の意識、この落差がたまりません。
着る人の心を象るドレスに対して周りの者が文句を言う構図や、フローレンスの腹心のメイド アイリスがその名とは異なった百合の花の香りをさせるところなど、思っていることと上辺とのギャップが色々な形で暴露されるところも面白い。
匠の技モノが好きな方にお勧め。
><
