ジャンヌ・ダルクまたはロメ

yomimaru2006-03-25

bk1

地位を脅かすジャンヌの素性を探り始める。国王シャルルの寵臣ジョルジュ。彼が辿り着いた皮肉な結論とは――あの女、ほんとうに神の遣いなのか短篇集。
ジャンヌ・ダルクが活躍した時代が中心になっていますが、捕虜になったら身代金を払って取り返してもらうことを契約で約束する二人の《友情》を描く「戦争契約書」が興味深く感じました。
プログラムを書いていると、エラー処理、エラー処理のエラー処理、またそのエラー処理……と、例外のせいで本筋が見えなくなって、で、実働させてみると、そんなエラー処理は一回も使われないまま、プログラムとしての寿命を終える、なんてことが良くありますが、この《ブラザー・イン・アームズ》の契約書も同じ感じ。
プログラムの本筋が現実の人生だとするなら、エラーと例外処理は杜子春(芥川龍之介) *2の想像なのかも。
もっともfclose()の返り値をチェックしていて危うく難を逃れた経験もあるので、こういう契約も価値を発揮することがあるのかもしれません。

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