涼宮ハルヒの憤慨

yomimaru2006-04-27

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中学最後の春休み、女の子からのデートの誘いに俺は――ハルヒに命令されて書いた私小説恋愛小説を古泉に見せる俺。ところがヤツの意外な感想は――「編集長★一直線!」ほか収録のシリーズ第8弾。
ミステリー仕立てのキョン小説は、雑誌掲載時にも衝撃的*2でしたが、文庫化されての読み直しもまた面白い。理系の私としては、《算数》の謎には馴染めないところもあるのですが、単なる犯人当てに留まらない《騙し》展開、ある意味でトリックスターズ(久住四季) *3と同じ趣向で、好きです。
こういう小説を書くキョンですから、読者に対して語りかける地の文についても、韜晦やミスリードが当然ある。そんな風に考えると、シリーズ全巻を通しての大どんでん返しが最終巻なのかも、などと思います。
長門の連作は、同じ幻想的でも一千一秒物語(稲垣足穂) *4というよりは、夢十夜(夏目漱石) *5っぽい感じ。
もともとミステリー畑だったと聞く作者の渾身(?)の一作、お勧めです。

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