制覇するフィロソフィア

yomimaru2006-05-24

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帝塾の門前の「塾長の獅戸エールである!」の声に、今日も入塾を目指す漢ぶり溢れる女が集う。皆見は、主と認める和に連れられて何故か試験に加わることに――漢の哲学を武器に抱く大和女子の野望の物語。
哲学論を戦わせることそのものが戦闘となるこの世界観は凄い。プラグマティズムを信奉する檜山、イデア論を吐く和、哲によって己れの信念に隙を見せることが、闘いそものの隙につながるというこの超絶加減が、魁!! 漢塾(宮下あきら) *2男坂(車田正美) *3 *4的世界観とマッチしていてもう最高。
たとえば「漢たる女が漢たる女に出会って、多くの言葉を交わすこともなく友情を得る。互いを理解する。」(130頁)なんて地の文。格好良すぎる。
高校公民や哲学概説の教科書、お厚いのがお好き? *5 *6等を紐解きながら読むのもまた良し。絶対に続篇が読みたい。お勧めです。

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