パラケルススの娘 4 緋袴の巫女

yomimaru2006-06-25

bk1

開国間もない横浜に響く妖しい旋律に心奪われた忍は、巫女装束の美少女 多華、宙飛ぶ男装麗人 クリスティーナに出会う――マジェスティックファンタジー過去の因縁篇。
弓を扱う多華の姿を見ていると、日本の弓術(オイゲン・ヘリゲル) *2の真夜中の二射のエピソードをちょっと思い出して、彼女の離れはまだまだ仏陀がさせる境地に達していないな、などと考えたり。
外へ開くか否かという日本国内の混乱した状況が多華自身の生き方の悩みと重ね合わせになっていて印象的。《端正》で出しゃばったところがない雰囲気はいつも通りで、最後まで心安らかに読み進めることができました。

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