ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと薔薇のデビュタント
金持ちのオヤジを婚約者に持つ没落貴族の娘ファニーは、彼の金で恋のドレスの依頼をクリスにするのだが――ヴィクトリア朝ロマン。
今巻は、世間知らずの娘が自分の境遇、自分のしていること、自分のしたいことを次第に自覚していく展開で、主人公は、クリスというよりはファニーでしょうか。
貴族社会を憎む《闇のドレス》との闘いの方は、前巻までと違って積極的な敵がいない今巻ではサスペンス度・ホラー度が一層アップ。クリスの触らぬ神に祟りなしの消極的対応策がうまく嵌っていました。
仕立屋の姐御パメラは、今巻でも医者を相手にぽんぽんと気っ風の良い台詞で、いい味出してます。クリスとシャーロックの関係も一段落しそうなので、次巻ではパメラの活躍を是非。
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