彼女はたぶん魔法を使う

yomimaru2006-07-27

bk1
著:樋口有介 画:最上佐和子 創元推理文庫*1

別居中の妻娘ありの元刑事 草平が受けた依頼は、女子大生轢き逃げ事件の調査。出会う女性は美女ばかりの彼の苦悩は深い――38歳の青春ストーリー。
ハードボイルド系を気取る草平ですが、小学四年生の娘 加奈子にたじたじのシーンの印象が強いせいか、ひとつひとつのセリフで気取ってみても妙に決まらないのが愛らしい。
無意識に溢れ出てくる女性への言葉の中のサービス精神が必要以上に旺盛なのか、話をしているうちにほとんどの女性が彼に惹かれるようになるのは、三十代後半の男のファンタジーなのかもしれません。言葉だけだと女好きにも見えますが、しっかりと等距離外交を図ろうとする言葉遣いが裏目に出たが故の女難のような気も。無心で出てくる心遺いが決め手というところは、まぶらほ(築地俊彦) *2っぽい感じも。
次巻も 初恋よ、さよならのキスをしよう*3と、題名からするともっと若い主人公を思わせるシリーズなんで、高校生が主人公の ぼくと、ぼくらの夏*4を読んでみよう。

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