母の危篤にも帰国しなかった父 誠一に反発し続ける海翔が心を許すのは、従姉 咲とその弟 葉平だけ。気の進まないまま学習旅行に参加した海翔は、葉平の手引で咲に会うが――第3回角川学園小説対象優秀賞受賞作。
他者への反発として現われる感情の制御のできなさや見込みや計算の甘さ、年齢に見合った海翔の行動には、意味もなくシャカイに反抗していた子供の頃が思い出されて気恥ずかしい。
誠一は毒を以って毒を制す、海翔は肉を斬らせて骨を断つ、と、二人の生き方がしっかり相似形になってます。
本作を含め、今月来月のスニーカー文庫の新人第1作は、全部しっかりと「シリーズ第1巻」がはっきりわかる副題になってますね。
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