桜宵

yomimaru2006-07-26

bk1

ビアバー《香菜里屋》の工藤が、正体を明かさずにするお勧めは、何も言わずに受け入れよ。さすれば至高の口福が――マスターの異常な推察。花の下にて春死なむ*2に続く短編集
店の名前のつけ方は珍走団風なのに、出てくる料理の手の込みようといったら! なかなか自分で作る気はしない肴の数々。もっとも、池波正太郎の食卓(佐藤隆介) *3よりもさらに気取った感じがしないのが良いところ。
本作の中から自分でもできそうなのは、牡蠣に熱々のガーリックバターをジュッとかけまわすエスカルゴでしょうか。
ロックにした方が美味しい高度数のビールに興味津々。料理の味とは違って、ミステリーとしての結末は、後味が悪かったり苦かったり。このギャップがたまらない。

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