強運の持ち主

yomimaru2006-08-06

bk1
著:瀬尾まいこ 画:コイヌマユキ 文藝春秋*1

直観インチキ占いで日々を暮らすルイーズ吉田は、持ち掛けられる相談の謎同棲相手の通彦と頭を悩ませるのだが――売れっ子占い師の内幕短篇集。
すべてを語りたいわけではない依頼者の存在ゆえに、各話がちょっとミステリ仕立てになっているのが面白い。今後の人生で無関係になる誰かに心の底のドロドロした部分だけをぶちまけるだけで楽になることもあるわけで、街角の占い師のそんな効用をしみじみと感じました。
相手との会話で感じたことを相手の思う方向に沿って伝える会話術で占いをするルイーズ。一種のリーディングをやっているだけなんですが、世の人が占い師に求めているものは、背中を押してもらうことなんですね。
そんなルイーズも、一旦自分の問題となると、占い本に何冊もあたったり先輩占い師に頼ったりと、自分の依頼者と同じで実に情けない。
いつも何か食べている先輩 ジュリエ青柳の事件簿みたいなのも読んでみたい。お勧めです。

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