ミカ×ミカ!

yomimaru2006-08-30

bk1
著:伊東たかみ 画:池田進吾 文春文庫*1

気配りの中学生ユウスケは、双子の妹ミカがいつになく女らしさを気にする姿に不審を抱くが、インコの囁きによるとミカは振られたらしい――それなりに日常は過ぎていく中学生日記
前作の小学生篇 ミカ!(伊東たかみ) *2では、クラス内で男女で反発し合った子供時代を思い出しましたが、本作では、ユウスケもミカも「つがいになりたいオトコとオンナ」時代に突入しました。
不思議な動物が彼らを駆動する力になるところは前作と同様ですが、小学生の暗い衝動と中学生の積極的な行動との差が、動物の性格付けにも出ているみたい。
殺伐としたセカイに投げ込まれた中高生が吊り橋効果でひっつく恋愛ストーリーも好きですが、繰り出されるミカの手技足技が揺らす男心とか、手元にある品で何とか問題を解決しちゃう手際の良さとか、母が残した料理ノートとすりおろしセロリを隠し味にしたカレーの味とか、ありふれた出来事をきっかけに付き合い始めるありふれた恋もいいよな、と素直に感じさせられます。

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