凶鳥の如き忌むもの

yomimaru2006-09-27

bk1

断崖絶壁の上の拝殿で18年ぶりに行われる鳥人の秘儀の取材に向かった怪異小説家 言耶は、巫女の消失を見て――民俗ホラー風味の高密度推理小説
戦後間もない迷信が生きている時代、超巨大鷲 大鳥様、鳥女と呼ばれる化け物、立川流反魂術、大鳥の口に見たてた洞穴、過去の因縁と孤島で起きた消失劇と、民俗ホラーの道具立てがふんだんに用意されていて、八つ墓村(横溝正史) *2や禽獣の門(赤江瀑) *3系の耽美な恐さを期待して読み始めたんですが、極めて分析的で理路整然と状況を整理する言耶の態度に、この先入観を完全に打ち砕かれました。
期待の方向性という意味では、今回巫女をつとめる朱音が6歳だった頃の事件に対する供述の章が一番怖いかも。

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