ヤクザガール・ミサイルハート
暴漢から少女を救ったはいいものの逃げ遅れた少年アドルファスを異能で助けた美少女アカリは、広島の覇権を巡って火花を散らすヤクザの鉄砲玉だった――仁義と仁侠の戦闘美少女アドベンチャー。
情を知らない殺し屋がふとしたはずみで知りあった人とのふれあいで心を取り戻すものの、義理から逃れられずに自分の世界に戻る、ってのは、忠臣蔵にもあるような伝統的な話なんですが、本作もイリヤの空、UFOの夏(秋山瑞人) *2も灼眼のシャナ(高橋弥七郎) *3も性別が逆転しているだけで同じ物語構造なのですね。
正義のためでも世界を守るためでもなく、恩のためにヤクザの鉄砲玉として生きるアカリの姿を見ていると、忠臣蔵からシャナまで変化していった設定が、Uターンして少し戻ってきたような感じ。
ゴッドファーザー*4の《組織》の家族的な風景とは異なり、本作の《組織》はどこかドライで、人外の化物に改造人間が跋扈する世界観に良くマッチしています。
単なる《視線》に留まらない、積極的なアドルファスの青臭い姿勢も好印象。この主人公像にもUターンを感じました。
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