“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店

yomimaru2006-10-09

bk1
著:御堂彰彦 画:タケシマサトシ 電撃文庫*1

フェイク品を扱う付喪堂に偶々舞い込んできた不思議な力を持つ器物《アンティーク》に翻弄されるのは、客か店員か――道具に踊らされる人間を描く連作短篇集。
道具を使っているつもりだったのに道具に使われる羽目に陥ってしまうところが、いかにも《付喪》な感じ。
思いもよらぬ同僚 刻也からのプレゼントにいつもとは違った姿を見せてしまう咲、そのギャップにどぎまぎする刻也を描く第4話「プレゼント」がイチオシ。からかい半分が本気になったり、本気の振舞いが道化になったりの男女の若さゆえの過ちが愉しい。こういう勘違いが人の一生を決めてしまうのだなあ。
もし続きが出るようであれば、刀鍛冶、真淵氏の勝利(ろくごまるに) *2のような、知恵と頓知で《アンティーク》に対抗する展開に期待。

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