評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡

評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 下巻 (KCピ-ス)
評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)

あるときはライバルとして、あるときは踏み越えるべき目標として、あるときは倒すべきラスボスとして生きた、宇宙植民時代 最後の英雄シャア・アズナブルの人生の原理とは――司馬的史観で描く宇宙世紀評伝。
機動戦士ガンダム機動戦士Zガンダム逆襲のシャアという本篇三部作が編年体で描かれる戦記であるならば、本作はシャアという人物から時代を描く紀伝体の歴史モノ。三部作を通して見ると、一見矛盾しているようにも感じられる行動原理を歴史洞察力は一流だがニュータイプとしては二流、とか、地球を母として見るマザコン、とかいう観点から説明していて、腑に落ちた気がします。
世代間闘争の色が濃い上巻は安彦オヤジキャラのアクの強さが良く合うし、世代内闘争へと移行する下巻では北爪キャラのすっきり淡白な感じが合うのかも、なんてことも感じたり。
あの頃は上の世代に反発していたけれど、今は下の世代に反発されている、そんなあなたにお薦めです。

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