混合男児

yomimaru2007-04-03

bk1
著:三枝玄樹 画:池田進吾 毎日新聞社*1

死んだおふくろがフリーターの俺に残した遺産は、1500万円の保険金と父親かもしれない4人の男の名前。父親候補全員に会おうと決めた俺は――ラジオ番組構成作家小説第1作。推薦オビの堤幸彦と同じ事務所*2所属なんですね。
父親候補の4人は《俺》に出会うまで何の面識もなく、ある意味で母に対して対等の関係にあった彼らの境遇も、24年たってみると、地方公務員、失業者、住宅ローンで借金苦、会社社長とさまざま。
母が同時期に関係を持った4人の当時の年齢が《俺》よりも若いところに、時代背景とか世代の差とか社会環境とかの差がずしり。
突然現れた息子かもしれない男の出現で、彼らがちょっぴり変わるだけのファンタジー展開に、「共感して頂けない世代や性別がないように」との作者の意図に沿った、ラジオ・テレビ畑ちっくな軽さを感じました。

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