殺人作家同盟

yomimaru2007-04-12

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著:ピータ・ラヴゼイ 訳:山本やよい 早川書房*1

いつか出版社が自分の本を出してくれると夢見るアマチュア作家達の作品に目を通した編集者が自宅で焼死。サークル会長の疑いを晴らすべく行動する者、内情を暴露する文章を公開する者――ワナビの行動目録ミステリー。
被害者ブラッカーは、文章を褒めては出版に同意させ、運転資金が足りないといって作者に金を出させる自費出版詐欺師(?)なんですが、海外でもこういう職業ってあるんですね。
自分で印刷して自分で売っちゃう同人誌文化が花開く我が国日本でも、年齢層や生活パターンが違えば、こんなアマチュア作家サークルがあるんでしょう。駅前の文化センターでも、自分史を書くなんて講座があるくらいですし。サークルの面々のイタタタなところが、こういう日記を公開している自分にも、何だか身に沁みます。
私を月まで連れてって!(竹宮恵子) *2に、アメリカでは有史依頼恋人に男が詩を贈るのが伝統、なんてことが書いてあったんですが、このサークルにも詩人がちらほら。
主人公ネイラーは韻を踏んだ詩を捻るのが趣味なんですが、飜訳されちゃうと、どう面白いのかが今一つわかりません。不思議の国のアリス(ルイス・キャロル/柳瀬尚紀) *3的な言葉遊び訳で読んでみたい、なんて思いました。

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