鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 2
モデル キズナは画家 有生の過去の女 ミナコの話が切っ掛けで喧嘩分かれになり、気分転換に有生の美人のイトコ 由起とデートをすることに――普通であることに馴染めない住人達の連作短篇集。
男2人と女1人の三角関係モノということでハーレムエンドのThe B.B.B.(秋里和国)*2と比べながら読んでたんですが、こうやってあらすじを書いてみると、本作は三角関係じゃないんですね。
すでに死んでしまって登場したくともできないミナコを含めた四角関係の話。あるいは、ミナコとキズナの二つの側面を持つ一人の女と、有生と由起の二つの側面を持つ一人の男と、の関係を描く話なのかも。
ハーレムを構成するためには、各人が各人をきちんとまともに受け止めるだけの心の鷹揚さが必要だと思うんですが、本作の三人では、粘着質の有生の甘えが目立ちます。彼をどう成長させるのか、あるいは、見捨てるのか、が、キズナと由起の腕の見せ処。
キズナと有生がひっついて、由起が海外にいく、なんてエンドにならないことを祈りつつ、次巻に期待。
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