精霊の守り人

yomimaru2007-04-26

bk1
著:上橋菜穂子 画:中川悠京 新潮文庫*1

橋から落ちた皇子チャグムを助けた女用心棒バルサは、二ノ妃の依頼で、彼の命を守るべく、離宮に火を放たせ混乱に乗じて逃亡の旅に出るが――緻密な世界構築ファンタジー第1弾。
バルサと同じく鍛えた体の持ち主が活躍するヤングガン・カルナバル(深見真) *2では、女子高生失恋モノなせいか?アクション蘊蓄フル充填なんですが、本作は架空の伝説・文化を構築することに重点をおいており、作者の文化人類学研究者としての視点を感じます。
一匹狼ではないけれども、ゴルゴ13(さいとうたかを) *3的な経験と落ち着きを身につけたバルサの身の上は、結構苛酷。設定上は三十路になってますが、悲惨な育ちのスーパー女子高生群を読み慣れていることもあって、そういう年齢だと意識せずに読んでいる自分に気付きました。
飯のためにウサギの皮を剥ぐチャグムのシーンが絶品。よつばと!(あずまきよひこ) *4で、釣った魚を生きたままさばく恵那の姿を思い出したり。
シリーズは順次文庫で出るようなので、次巻が楽しみです。

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