世界平和は一家団欒のあとに 2 拝啓、悪の大首領さま

世界を守る宿命の下に生まれた軋人は、かつて滅ぼした悪の秘密結社の首領を家長とする鶴見家の面々と再会し、家庭崩壊ぶりに慄然とするが――野望を打ち砕かれた悪の組織のアフターストーリー。
世界平和のために妹を殺したトラウマをメインテーマにした前巻*2とは異なり、本巻は心暖まるコメディ基調。素頓狂な世界設定が、本巻の内容に良く馴染んでいます。
失意のうちに失業した父親 、情けなさに反発して家を飛び出た銀子、失業の原因に八つ当たりする啓吾、苛められても喧嘩をやめない正志、と様々な反応を見せる子供達、そしてさほど動じていない母親 優子、リストラファミリーコメディの王道といえる展開です。
軋人一家の方も、前巻のトラウマはすっかり解消している模様で、途中でがらりと性格が変わったり、過去を振り返らなかったり、なんてところは、確かに正義の味方の一面だよなーと納得。
「世界征服」は可能か?(岡田斗司夫) *3で列挙されている悪の秘密結社の数々の問題点を頭に浮かべながら読むのがお薦め。

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