封仙娘娘追宝録10 天を決する大団円(上)

宝貝回収を完遂できぬまま殺された和穂の亡骸を前に、梨乱は壊された殷雷刀の打ち直しを決意するが――完結直前の中華ファンタジー
仙人の能力を封じられた和穂と涙脆い宝貝 殷雷刀のコンビが繰り広げる宝貝回収の旅も、あと一冊で完結かと思うと、途中で刊行が6年間止まっていたこともあって、感慨一入。まさに今巻は、「伏線回収の旅」。前巻までの数々のエピソードがところどころで引用されているため、シリーズ第1巻*2からの読み直しの旅に誘われます。
同じく中華ファンタジー孔子暗黒伝(諸星大二郎) *3でもお馴染みの尸解ですが、この設定を利用するご都合主義には留まらず、原因と結果の両方に一捻りが絶妙の構成で入っています。
二人の主人公不在で暗くなりがちなストーリーの中、和穂の師匠 龍華とインターン道士 燕寿の軽妙な掛け合いが救い。とにもかくにも、11月までには発売される最終巻に期待です。

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