ドラゴンキラーいっぱいあります

著:海原育人 画:カズアキ C★NOVELSファンタジア*1

大飯喰らいの初心なドラゴンキラー リリィの面倒を見る破目に陥った便利屋ココは、彼女の食費だけで素寒貧の毎日だが、かつての上官ロブの落魄れた姿を見て――厄病神に魅入られたハードボイルドファンタジー第2弾。
ココとリリィの二人の姿は、宵越しの金は持たない痩せっぽちな職人の旦那としっかり者だけど態度も体格もでかいカミさんの夫婦、といった、長屋系落語にも出てきそうな雰囲気。彼らの大家 ラダーマンと情報屋 パーマーがご隠居に相当するのかも。ココとリリィの間には、痴話喧嘩はあっても実は色めいたコトは何もしてないんですが、リリィには糟糠の妻的な風格すら漂ってます。
ドラゴンの肉を食べることで生じる肉体の変化に耐えることができればドラゴンキラーになり、ドラゴンの肉を食べ過ぎると――という設定のおかげで、女ドラゴンキラーが子供や家庭を激しく求める動機に説得力あり。
前作*2の題名とオチから本巻のラストも想像がついちゃうんですが、次巻の『ドラゴンキラー売ります』は一体どうなってしまうのか。
そういえば、リリィがもりもりと食べる様子をストレートに描いた場面がまだ出てきてません。次巻では、涼宮ハルヒの陰謀*3で大量のカレーとキャベツを食べる長門のような、大食い選手権的な健啖ぶりの描写に期待なんですが、リリィは料理をしなさそうなところが問題かも。

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