警視庁幽霊係 少女漫画家が猫を飼う理由

女子高生の自称守護霊 結花に助けられつつ、被害者の幽霊の事情聴取を行う特殊任務に今日もいそしむ柏木警部補は、今日もストレスで胃が痛み――渡る世間は霊ばかりのコミカル・ミステリー。
被害者の恨み辛みのような、ダークな感情がストレートに出てくる雰囲気は全然ありません。死んだことに気付いていない被害者、目撃証言も周囲の人物評もロクにできない被害者と、幽霊だって元はフツーの人間なんだよな、としみじみ感じます。
少女小説家は死なない!(氷室冴子) *2赤朽葉家の伝説(桜庭一樹) *3のような業界奇人録系の表題作では、殺された漫画家とその周辺の意外にタフで動じない様子が見物。被害者の漫画家はそこまでの問題児ではありませんが、ヌケ方が一味違います。
本作の著者は、梶尾真治田中芳樹が所属する有限会社らいとすたっふの小説*4第1期卒業生。漫画のキャラ立てを強く教え込む小池一夫劇画村塾*5は月1〜2回の授業型ですが、小説塾は通信型っぽい。これも媒体の差なのかな。

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