カラフル

罪を犯して死んだぼくは、自殺した中学生 真の体にホームステイして自分の過去を思い出すチャンスを得るが、真の初恋の女の子は援交、母は浮気、父の会社は詐欺事件で――天使が微笑む憑依ストーリー。
死んだ主人公の目の前にガイドがやってきて、現世へ戻ることができると唆すストーリー展開は、DEAR 少女がくれた木曜日(新井輝) *2やキリサキ(田代裕彦) *3と同じ趣向ですが、ちょっと違うのは、主人公のゲーム感覚。
憑依していられるのが1年間の期限付き、ということもあって《ぼく》がプレイヤー、《真》がキャラクターで、《真の住む世界》がゲーム世界、という対応関係が成立しているみたい。キャラクターたる《真》を客観的な視点から見ることになっています。
妻子会社ともに失敗して死にたくなり5年前に戻る流星ワゴン(重松清) *4にも雰囲気は似てますが、流星〜の設定は、自殺を図った《真》が主人公、ってことに相当するんですね。
蒼い色気の援交少女 ひろかが出てくる場面の妖しい匂いにはドキドキ。彼女には何もしてやれないけど、無料なら彼女とヤリたい《ぼく》の赤裸々な欲望。理論社初出でもここまでありなのか、の、お薦め。

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